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2017年9月「命を聞き分ける耳」


 わたしは、田舎に生まれ育ったせいか自然が大好きです。家の中でも外でも緑の植物を見るとほっとします。ある時、こうした植物が、音楽に反応するという実験結果を聞いて、ほほおっ!と思いました。

 

 場所はアメリカでの話です。ある生物研究室で、2つの温室を使い、カボチャの栽培をしました。どちらの温室もカボチャの種類、光、土などの条件を同じにしました。

 

 そして、両方の温室に音楽を流したのです、片方の温室には、ロック音楽を流し続け、もう一方の温室にはクラシック音楽を流し続けました。カボチャの成長にどんな変化があったと思われますか?

 

 実は、それぞれに違った反応を示しました。ロック音楽を聞いたカボチャはスピーカーをよけて成長したのに対して、クラシック音楽のほうのカボチャはスピーカーに向かうように伸びたのだそうです。「がんがん」とにぎやかなロックより、心静まるクラシック音楽のほうがカボチャは好きである、という結果でした。

 

 他にもいろいろ実験した結果、やはり音に反応することが分かったそうです。カボチャはちゃんと音楽を聞き分ける耳をもっていました。楽しい実験ですね。

 

 さて、私達の耳はいかがでしょうか? 大切なものをちゃんと聞き分けているでしょうか? 神の人モーセは、イスラエルの人々を前にして次のように語りました。

 

「天よ。耳を傾けよ。私は語ろう。

 地よ。聞け。私の口のことばを。 

 私のおしえは、雨のように下り、

 私の言葉は、露のようにしたたる。 

 若草の上の小雨のように、青草の上の夕立のように

 私が主の御名を告げ知らせるのだから。

 栄光を私たちの神に帰せよ。」 申命記32章1~2節 

 

神はモーセを用いて、神の言葉を雨のように、露のように人々の上に降らせました。それを聞くものは、雨にぬれて青々とした若草のように、その心が潤い、命が宿ったのです。1人の教会員の方がこう言われました。「私は、最近教会にくるのが本当に楽しみです。特に、聖書の言葉は、ああ本当に耳から入ってくるのだと実感します。

 

 その言葉が私を慰め、励まし、またリフレッシュさせます。」これは、説教者である私にも大変嬉しい言葉でした。この方は、生きていくうえに本当に大切なものを聞き分ける耳を、ちゃんと養われていたのでした。

 

 私達は大変な情報化社会に生きていますね。新聞、雑誌、テレビ、スマホ、インターネット等を通して、様々な情報、話題が飛び込んできます。大変便利なものばかりですが、しかし、マイナス面もあります。真偽のよく分からない情報に煽られて不安になったり、焦ったり、大切な判断を誤る事もあるからです。

 

 しかし、聖書の言葉は永遠不変、かつ真実な神の言葉です。私達の魂の奥深くに届いて、私達を生かします。あのカボチャでさえ、音の違いを聞き分ける耳がありました。

 

 神様が、あなたにも、違いの分かる耳を備えて下さいますよう、この情報過多の時代に、永遠のベストセラー聖書の言葉から、命を得て健やかな毎日を送って下さいますように・・。祈